広島家庭裁判所三次支部 平成12年(少)42号
主文
少年を中等少年院に送致する。
理由
(非行事実)
1 少年は、Aが平成11年9月23日、同級生で顔見知りのB子(当時13歳)と性的関係を持とうとして、B子を広島県双三郡○○町大字○△×××番地×のC方に呼び出したのを知り、自分もB子を強姦しようと考えた。そこで、少年は、Aと共謀して、同日午後1時30分ころから午後2時ころまでの間、C方において、AがB子の上に馬乗りになって押え付け、少年が下着を脱がせるなどの暴行を加えてB子が抵抗できないようにし、少年、Aの順にB子を強姦した。
2 少年は、A及び自己の弟であるDと共謀して、再度B子を強姦しようと考えた。そこで、平成12年2月13日、AがB子を電話で呼び出し、指定場所に赴いたB子をDが少年及びAの待つ広島県双三郡○○町大字○△×××番地×の○○町消防団第四分団第二部消防器具格納庫に連行した。そして、その場で、同日午後零時45分ころから午後1時30分ころまでの間、B子を押え付けるなどの暴行を加えて抵抗できないようにし、少年、D、Aの順にB子を強姦した。
(適用法令)
1、2につき 刑法60条、177条前段
(処遇の理由)
1 本件は、少年が、中学校在学中、弟及びその友人(いずれも中学生)と共謀の上、弟の同級生の妹である中学生の被害者を二度にわたり強姦したといういわゆる輪姦の事案である。そのそもそもの発端は共犯者であるAが被害者と最初に性行為を持ったことにあるとはいえ、少年は最初の非行事実においてはAの行為に便乗し、自らも積極的に強姦行為を行っていること、二度目の非行事実においては、あらかじめ共謀の上、被害者を人気のない消防器具格納庫に連れ込み、共犯者同士で強姦行為の順番を決めるなど、その計画性は明らかである。また、少年は、被害者に対し口淫を強要するなどしていることや、従前被害者と付き合っていたわけでも、特別な好意を寄せていたわけでもなく、共犯者らの行為に便乗し、単に性欲のはけ口として被害者を利用したに過ぎないなど動機も極めて自己中心的なものであるなど、本件非行の態様は極めて悪質、卑劣であり、非行態様からうかがわれる少年の要保護性も極めて大きいものといわざるを得ない。
2 少年は過去に非行歴はなく、本年4月高校進学後も目立った怠学傾向などは認められないが、本件非行態様の悪質性に加え、高校入学後も女生徒と抱き合っていて注意を受けるなど、本件性非行は決して偶発的、単発的なものとはいえず、同種再非行の可能性も高いものというべきである。
また、少年は、観護措置により鑑別所に収容されるまでは本件非行の重大性を認識せず、収容後の言動を見ても十分な反省の深まりがあるとはいいがたい状況であり、このような重大な非行を犯しながら、少年の責任感、罪悪感の乏しさは顕著であるといわざるを得ない。
3 少年の父親は別居状態に近く、調査呼出しにも応じないなどその監護意欲が疑われる状況であり、母親も事の重大性や少年自身の問題性を十分に認識せず、被害者への対応にも誠意を欠き、少年をかばうような言動が目立つなど、家庭の監護力には多くを期待できない。
4 以上により、少年に対しては、相当長期間の施設収容により、自己の行為を十分反省するとともに、規範意識の確立や女性の人格を尊重し、相手の気持ちを思いやるなどの社会人としての人間性の形成を促すことが必要不可欠である。
そして、少年は間もなく16歳になることから、中等少年院に送致し、上記目標の達成を図ることが相当であると判断し、主文の処遇を選択する。